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「生きている!」ということを感じながら生きるのは、とても難しい。まして、「生きている」ことに、感謝や感動を味わいながら日々暮らしている人は、そう多くはないだろう。 時々こんな話を耳にする。「鬼姑が亡くなる時、『ありがとう』と言ってくれた。胸のしこりが溶けていくようだった」とか、「自分に無関心だった夫が、回復の見込みのない病床で『今までありがとう。幸せだった』と涙を流した」等々。 人は“死”を間近にした時、俗世間で身に付いてしまった心の錆が一気に剥がれ落ち、研ぎ澄まされるのだろうか…。 鬼姑でも無関心夫でもなく、ごく普通に暮らす若者や子ども達が死に直面した時、“生きている”そのこと自体に感謝せざるを得なくなるような、声なきメッセージを残していく。 私が骨髄バンクのボランティアを始めた頃は、まだ、民間の骨髄バンクを患者その家族、移植医や弁護士らが、各地で支えている時代だった。歌手として新人だった頃に、白血病で友人を亡くしていた私は、貪るように、“骨髄移植”について学んでいった。 ![]() 血液難病の中でも“白血病”はよく知られているが、発病のメカニズムは未だ解明されておらず、日本だけでも年間に5,000〜6,000人も発症する、誰の身にも起こりうる疾病である。 熱きボランティア達が、各地で精力的に展開し続けてきたシンポジウム等の普及啓蒙活動により、“骨髄移植”“骨髄バンク”の認知度は飛躍的にアップした。 それによって、“遺伝”や“感染”という一般的な誤解から、“不治の病”という患者側の誤解はすぐに解けるようにはなったものの、その難解さは依然付きまとう。 まず、占いなどでポピュラーなA、B、O、ABというのは赤血球の型で、白血球にも型があり、組み合わせで成り立っていることを知る人は少ない。 膨大な数に膨れ上がる白血球の型(HLA)が、ドナー(提供者)と患者が適合しなければ“骨髄移植”は成立しない事や、非血縁者間でのHLA適合率は数百から数万分の一である事、ドナーは健康な成人でなければならない事、骨髄提供は背骨を削ることではない事等々、正確に伝えなければ事柄が多すぎるため、普及啓蒙活動を続けなければならないのである。 生きたくても生きられない人達に代わり、あたり前な事に感謝する思いや、人を思いやる気持ちが、自分の人生や周りの人々、更には未来の子供達の心を豊かにするであろうことも伝えたいのだ。 あの“テロ”の裏側で… |
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■刀根麻理子(とね まりこ) 本名:刀根万里子(とね まりこ) 出身地:神奈川県川崎市 OL、フリーナレーターを経て、1984年TVアニメ「キャッツアイ・PartK」のオープニングテーマソング「デリンジャー」でデビュー。CF・TV・ラジオ・舞台等で活躍 ◇プロデュース ◇作詞・作曲活動 ◇刀根麻理子ゴールデンベスト(徳間ジャパン)、全国CDショップにて好評発売中 |
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