海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
 『ちたろまん』創刊20周年、おめでとうございます。
 少子化、人口減少と叫ばれて久しい昨今ですが世の中男と女しかいないわけですから(最近はIKKOさんのような人もいますが)お互いの良い所を見つけ、尊敬できたら結婚することが一番だと思うのです。
 我家にも三十を過ぎた男子、女子二人の子供がおりますが結婚する気は全くなく親の私は困っております。
 主人と私の出会いは二十歳の時でした。鎌倉の材木座海岸で声をかけられ(今流に言いますとナ・ン・パ・だった)間もなく家に電話があり「一度フジテレビに遊びに来ない」という誘いがありました。「あやしいから私が確かめてくる」と妹が行ったのだから逸見は驚いたでしょう?
 「確かにアナウンサーだったわ」と妹が報告してから初めて二人で会うことになりました。新宿御苑のベンチでいきなり自分の理想の女性像を語り始めた時にはびっくりしました。一、よく気がつく人 二、料理が上手な人 三、字がきれいな人 四、時間を守る人 五、でしゃばらない人 六、つれて歩いて恥ずかしくない人… 十箇条もの思いを初めて会った私に話すのですからこの人は一体何を考えているのでしょうと戸惑ってしまいました。
 そんな出会いから二十三年、順風満帆に事が運ぶかと思っていましたら突然のがん宣告¢Sてがガラガラと壊れていきました。
 今、娘は私によく質問をしてきます。「ママ!私にもパパの様な男らしい人が目の前に現れてくれるのかしら?」こればかりは未知の世界でわからないけれど希望を持つことは大事だと実感しています。
 大人になると夢を持たない、持てない人が多いように思います。毎日の生活に追われそれどころではないのでしょうか。しかし人生はそう長くはありません。やりたい事、思っていることを実現すべく努力してみることは大いに意義深いと思います。ましてや癌にかかってしまった人は再発、転移に恐れおののいています。明日の生命はあるかしら?三年後の自分はどうなっているでしょう。不安が募ります。色々な事を思い煩うよりポジティブに夢を持って人生を謳歌しましょうといきがい療法を実践していらっしゃる医師が伊丹仁朗先生です。患者さんを一月に一回なんば花月にお連れして心の底から笑うと免疫力が強化されナチュラルキラー細胞が増殖するのです。2000年8月「がん克服日米富士登山」を企画し、私も参加させて頂きました。アメリカの癌患者さんと日本の癌患者さん500人が同じ目的を持って日本一の山に登ることに挑戦しました。苦労して富士山の頂上を極めた時の感動は今も忘れることができず、前向きに生きる意味の大きさを知らされたのでした。そんな体験をもとに私にもできる事を考え、2003年「いっつ癒しの旅」と命名して大自然や知らない外国をゆっくり歩いて知識を拡げる楽しい旅の計画を実行することになりました。
 ニュージーランドは大自然の宝庫です。世界有数の壮大な景観を眺めながら清浄な空気を満喫する。旅のつれづれに同行して頂いた医師に寄り添い自身の話を聞いて頂く。仲間同士次第に絆が深まり心が解き放たれていく。海外では言葉が通じない分同じ仲間の優しさが心に染みます。
 2007年第5回目はベルリンからマイセンそしてミュンヘンへとドイツの旅でした。同行をお願いして快くついてきて下さった作家の俵萠子さんは「成田を背にして日本を離れたと思った瞬間からストレスがなくなり開放感で一杯になる」と!!私も未だ見ぬ地に思いを馳せあれやこれやと考えるだけで心が躍ります。出発する前と帰国直後のナチュラルキラー細胞を参加者にお願いして測定させて頂きました。予想通り13時間も飛行機に乗って帰ってきたというのに平均値は上がっていました。化学的にも「いきがい療法」は証明された訳です。
 2008年の今年はやはり俵萠子さんと今医師(弘前大名誉教授)同行のもとスペインに出掛けました。直行便がないのでロンドンヒースロー空港で一旦下車してからマドリッドに向かいました。総勢20人の旅です。
 スペインは治安が悪いので泥棒に注意して下さい%Y乗員さんの言葉に皆さん団体で行動することを心掛けました。やはりスペインというとフラメンコ!!情熱的な男性のダンサーの目に釘づけになりました。もの憂げなそしてせまってくる様な表情は日本人にはなかなか出せません。終了後、皆が口々にあのもの言いたげな目に魅了された!
 4日目に事件が勃発しました。俵萠子さんがセビリヤで大きな焼き物の鏡を購入。しかしこれは自身で持って歩くのは大変だから日本に配送してほしいとお願いしたのです。ところがスペインでは宅急便は発達しておらず御自身でお持ち帰り下さいという指示なのです。俵萠子さんは怒り心頭。もう要りません。返却しましょうと言い出したのです。私も割れ物に関しては責任が持てませんから黙認していたのですが、添乗員さんが「私がお持ちします!!」この一言で一件落着、ホッとしたのでした。
 どうして陶器が盛んで素敵な品が沢山あるのに宅急便が発達しないのか不思議でした。
 最終日は老人ホーム訪問でした。月額30万円という高額な方の入居するホームだったので素敵なそしておしゃれなお年寄りがテキパキと若いスタッフに囲まれて介護を受けていました。私達はバスの中で練習した日本の歌を歌って歓迎を受けました。
 あっという間の6泊8日の旅が終了しました。知らない土地を尋ね食べたこともない料理を口にし、原宿と同様な通りを目のあたりにした時、生きているって素晴らしいと思うのです。
 今年は念願だったパリコレ≠見ることもできました。鳥居ユキさんと親しくさせて頂いているお陰でパリのショーに合わせて伺うことができました。日本で見るよりスピーディーなショーに圧倒されました。由緒あるルーヴル美術館の地下でのショーは荘厳で心に深く残る見ごたえのあるものでした。
 主人は四十八歳という若さで志半ばで天国に召されてしまいましたが、私は主人の分迄なるべく長く生きて色々なものに挑んでいきたいと思っています。