海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
元気のでてくることばたち 村上信夫NHKアナウンサー

天野ひろゆきという存在
 お笑いコンビ、キャイ〜ンの天野ひろゆきさんは、1970年、愛知県岡崎市生まれ。45歳になったばかりだ。
 天野さんは、自他ともに認める「平成の徳川家康」だ。同じ三河の岡崎出身で、手や足の長さ、いや短さもそっくり。手相も感情線と頭脳線が一本に重なっているところが家康と一緒らしい。ちなみに天ぷらが好きだというところも一緒だ。

 子どもの頃から、クラスメイトの前で面白いことを言っては笑わせていた。落ち着きがなくて、いつでもどこでも喋っていた。
 尾崎豊が大好きだった。『15の夜』を聞いて、このまま当たり前に卒業することに疑問を感じ、卒業式に行かなかった。3年間無遅刻無欠席で、交通事故に遭っても頬を腫らしながら行ったのにもかかわらず。だが、自分が行かなかったことに気づいた人はいなかったというのが、この話のオチ。
 天野さんは、誰かのために全身全霊を尽くすタイプだ。誰かがいないと自分は成立しない。プライベートでも人を家に呼んで料理をふるまい、人の一番いい表情を引き出して、気分よく帰ってもらいたいと思ってもてなす。人のためのように見えて、結局は自分のためでもある。緊張している人には、動きや言葉をシンクロさせて安心させたり、逆にプレッシャーをかけたり。でも、この人はこうだと決めつけたくないので、事前の情報を入れないことが多い。先入観を持つことを好まない。

ウド鈴木という奇跡
 キャイ〜 ンを結成したのは、1991年。ウド鈴木という男に巡り合ったのは、奇跡的な幸運といえる。
 天野さんに言わせると、ウドちゃんは、「存在自体が笑いの王道」「国民的バカ」「笑いの特急券」…尊敬もするが嫉妬もする。超一流の素材に恥じないツッコミにならねばと常に思う。そして、面白いネタを考えて、ウドちゃんをさらに輝かせたいとも思う。
 

 台本は、天野さんが綿密に書く。1人で集中して書く。ウドちゃんのところは完全に当て書きだ。だが、ウドちゃんは、台本通りにはやってくれない。それが味になる。ウドちゃんがちょっと忘れたり、噛んだり、独特の間があるほうが面白い。未だにウドちゃんの底が見えない。底なしだから面白い。
 ウドちゃんも、天野さんのことをいろいろ形容している。「織姫」「女神」「天使」「観音様」…ウドちゃんらしい形容だ。ウドちゃんは、死ぬまで天野さんとコンビを組みたいと言っている。ウド鈴木を輝かすのは天野ひろゆきしかいないわけだ。天野ひろゆきを輝かすのも、ウド鈴木しかいない。

矢島さんの存在を忘れない
 天野さんの人生で忘れられない人が、元マネージャーの矢島秀夫さんだ。矢島さんと出会わなければ、今の自分は100%ないと思う。
 「現場で愛されていた人ですね。自分の主張を押しつけず、僕たちに何がやりたいんだって、いつも聞いてくれて、タレント側に寄って交渉してくれました。デビュー当時、ウドちゃんのキャラクターが際立っているので、ウドちゃんにしか来なかった仕事でも、矢島さんが頭を下げて、僕も入れてもらえないかと頼んでくれたんです。年が結構いってたから、現場で一目置いてもらえる存在だったと思います。事務所で漫画本ばかり読んでる人でしたけど、僕らをなんとか売ろうということになって矢島さん自身も変わったんです。同じ目線で見てくれて、ウドちゃんとしょっちゅう子どもみたいな喧嘩をしてました(笑)」。
 矢島さんが病魔に打ち勝てず亡くなったことは、天野さんにとって痛恨の極みだ。未だに携帯電話に登録した矢島さんの番号を消せずにいる。

キャイ〜ンの未来予想図
 天野さんは、目標を立てることが好きだ。
 漠然と大きい目標ではなく、頑張れば行けそうなところを目指す。キャイ〜ンのコンビを組んだ頃、2年後に『笑っていいとも!』のレギュラーとか、キャイ〜ンの冠番組を持つとかという目標を立てたら、本当に予想通りになっていった時期があった。「だから晩年の予想で、ウドちゃんが『天野君と喫茶店をやる』って言ったらどうしようかと思って、ハラハラしてるんですけどね(笑)」。
 新装開店した『喫茶キャイ〜ン』で、講釈を述べながら、珈琲を淹れている姿、客席を回りながら愛嬌を振りまいている姿が容易に想像出来る。どちらがどの姿かは言うまでもない。

■村上信夫プロフィール
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や『鎌田實いのちの対話』など、NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を回り「嬉しい言葉の種まき」をしながら、文化放送『日曜はがんばらない』(毎週日曜10:00〜)、月刊『清流』連載対談〜ときめきトークなどで、新たな境地を開いている。大阪で『ことば磨き塾』主宰。
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
これまで、『おはよう日本』『ニュース7 』『育児カレンダー』などを担当。著書に『嬉しいことばの種まき』『ことばのビタミン』(近代文藝社)『ラジオが好き!』(海竜社)など。趣味、将棋(二段)。

http://murakaminobuo.com


「元気のでてくる"ことばたち"」
(近代文芸社)
1,500円(税別)
おなじの腕まくり「おやじの腕まくり」
(JULA出版局)
1,400円(税別)
「言えなかったありがとう」
好評発売中

■イネ・セイミプロフィール
フルート奏者として活躍中。俳画家。
絵画を幼少より日展画家の(故)川村行雄氏に師事。俳画を華道彩生会家元(故)村松一平氏に師事。俳画の描法をもとに、少女、猫等を独自のやさしいタッチで描いている。個展多数。

* 俳画教室開講中
 ところ:常滑屋
 と き:月2回 第2、4金曜日 午後1時〜3時
 会 費:1回 2,250円(3ヶ月分前納制)
 問合せ:0569−35−0470

イネ・セイミ

 インディアンフルート教室開講しました。
誰でもすぐに吹けます
入会受付中!!

 講師 イネ・セイミ
《フルート奏者 指導歴30年》
1レッスン・1時間5,000円
(ティータイム付)

申込み・お問合せ
seimiine@oasis.ocn.ne.jp


 何か始めたいと思っている貴女へ。
数年後、素敵にフルートを奏でる姿が
そこにあります。
楽しく個人レッスン致します♪