海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
元気のでてくることばたち 村上信夫NHKアナウンサー

笑いと涙の吟遊詩人
 リピート山中さんは、出かけて出会って感じて歌う、体験派シンガーソングライターだ、ともいわれる。彼のモットーは、「勝ち組も負け組も包み込める音楽」。愛情溢れる曲を数多く生み出している。
 リピートの名には、繰り返し繰り返し聞いてほしい、呼んでほしいという思いが込められている。
 リピート山中さんには、ボクが関わるラジオ番組に4回も出演していただいた。個人的に食事に行ったこともある。価値観が共通することが多い。

 1960(昭和35)年、神戸生まれ。公務員の父は、民謡同好会に入っていて、裏山の公園で、民謡を歌っていた。母は、元バスガイドの杵柄で、鼻歌の絶え間がなかった。両親のDNAをしっかり受け継いでいる。
 小学校の頃、『エレキの大将』の加山雄三にしびれた。ブルーコメッツに弟子入りを志願したこともある。深夜放送の影響で、岡林信康やザ・フォーク・クルセダーズ・・・と、しだいにフォークに傾倒していった。「イムジン河」の反戦メッセージと「帰ってきたヨッパライ」の笑いを目指そうと思った。
 ギター一本で心が揺さぶられ、12歳からギター弾き語りを始めた。高校時代、バンドでオリジナル曲を発表した。吉本や松竹新喜劇、寄席番組を録画・録音しては笑いの研究をした。植木等も大好きだった。
 1996年、桂雀三郎withまんぷくブラザーズの一人としてメジャーデビューした。2000年、山中さんが作詞作曲した♪焼き肉焼き肉食べ放題〜♪の『ヨーデル食べ放題』が大ヒットした。文字通り、焼肉の食べ放題の店で、幸せな気分になり、ヨーデル調で「た〜べほおだ〜い」と口ずさみ、ふと、周りの壁を見渡せば「タン・ミノ」などと歌詞が全て書いてあったというしだい。この曲は、焼き肉の聖地ともいえるJR鶴橋駅の発車メロディに使われている。
 その名の通り、山の中が大好き。そのおかげで「山太り」になったと自嘲する。山の上での「シャリのうまさは格別だ」そうで、体重が倍になったらしい。当人曰く「体質」で、真冬でもTシャツ、半ズボン。気も身体も若い。
 アルプスや富士山で行う山小屋コンサートや山頂ライブを数多く重ねている。単独登山をした孤高の人を歌った『加藤文太郎の歌』 は、名曲だ。


往診コンサートで人生勉強
 医師に同行しての山間地での往診コンサートをライフワークとしている。『往診ハラショー』 や『頑張れ!スイゾウちゃん』といったコミカルな歌で、闘病中の人や介護を受けている人、医師や看護師を和ませている。
 『往診ハラショー』は、山口県の知り合いの医者から、診療所の歌を作ってほしいと頼まれた事がきっかけで出来た。「とっても良い」という意味のロシア語の「オーチンハラショー」の響きをヒントに作った。過疎地域の往診の風景を明るい歌にしたいと考え、実際に医師に同行して往診の現場を体験して出来あがった。
 往診コンサートも始めた。枕元で正座して歌う。
 ガン末期のおじいさんの前で歌うのは躊躇したが、家族の希望もあって歌いに行った。痛み止めで意識朦朧とした状態だったが、リクエストされた北島三郎の『まつり』を歌った。そうしたら、驚くことに、寝たままで手が動き、口もパクパクし始めたのだ。ついには、起き上がって山中さんの手を握り「有難う」とお礼まで口にした。傍らで見ていた家族も、元気な頃が思い浮かび嬉し涙を流した。「今度また来ます」と軽く言ってから、「今度また」はないかも知れないのだと反省した。
 だが、「今度また」があったのだ。その後ほどなく山口に行くことになり、おじいさんの様子を聞くと、血圧が急に降下し、きょうが山場だという。お見舞いに行くだけでも行こうと訪ねたら、家族から、もう一度『まつり』を歌ってほしいと依頼された。歌い始めたら、おじいさんの目が開き、手が動いた。「酒を持ってこい」と指示まで出し、山中さんはビールを振舞われた。
 その5日後、おじいさんは旅立った。
 山中さんも、往診コンサートをやるようになり、歌うことに対する想いに変化が起きた。
 「これまでは、自分が聞かせたいという思いが強かったが、人が聞きたい歌を感じ取って、医者の処方箋のように、聞く人にその場その場でどんな歌を処方するのがいちばんいいのか、考えるようになった」
 歌は、まさに副作用のない良薬だ。

■村上信夫プロフィール
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や『鎌田實いのちの対話』など、NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を回り「嬉しい言葉の種まき」をしながら、文化放送『日曜はがんばらない』(毎週日曜10:00〜)、月刊『清流』連載対談〜ときめきトークなどで、新たな境地を開いている。大阪で『ことば磨き塾』主宰。
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
これまで、『おはよう日本』『ニュース7 』『育児カレンダー』などを担当。著書に『嬉しいことばの種まき』『ことばのビタミン』(近代文藝社)『ラジオが好き!』(海竜社)など。趣味、将棋(二段)。

http://murakaminobuo.com


「元気のでてくる"ことばたち"」
(近代文芸社)
1,500円(税別)
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「言えなかったありがとう」
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■イネ・セイミプロフィール
フルート奏者として活躍中。俳画家。
絵画を幼少より日展画家の(故)川村行雄氏に師事。俳画を華道彩生会家元(故)村松一平氏に師事。俳画の描法をもとに、少女、猫等を独自のやさしいタッチで描いている。個展多数。

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 ところ:常滑屋
 と き:月2回 第2、4金曜日 午後1時〜3時
 会 費:1回 2,250円(3ヶ月分前納制)
 問合せ:0569−35−0470

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