海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
 瞳のきれいな、スマートな女性であった。そのスマートな体からは想像しがたい、幾何学模様の大きな壺が工房内に4つあった。「私、すごく力持ちなんです」と、はにかみながら笑う。彼女の作品である。
 うさぎをモチーフにした粉引きのマグカップ・湯呑み・皿、黒の釉薬を使い存在感を強調したコーヒーカップ、赤絵を取り入れたぐい呑みなどの日用雑器は、可愛いがってあげたいと思う気持ちと、愛らしく、ちょっといたずらしてみたいと思わせる。彼女の雰囲気に、ぴったりの作品だ。
 彼女の自信作を聞いてみた。やっぱり、うさぎをモチーフにした粉引きのマグカップだと言う。粉引きに赤のライン、緑のラインを入れた大胆な発想に目を引く。「粉引きは、見る角度によって、いろいろな表情を見せるんです。自分が粉引きに引き込まれる魅力がある」と、作陶に対する強い思いが凝縮された返事が返ってきた。
 目標を聞いてみた。「土鍋・雛人形・抹茶茶碗・急須・・・何でも作ってみたい。夢がありすぎて、わからない。でも、作った時の気持ちが現れるといいなぁ」と、真っすぐな思いを語った。これからの一つ一つの作品に夢が込められていくような気がする。
 常滑で工房を持って2年。常滑には素朴な町並みと、家庭的なくつろぎがあると言う。工房内には、秋のさわやかな風が心地よく入ってきた。気取らない人柄に、さわやかな居心地の良さを感じさせる女性であった。いつまでも変わらない可愛い女性であってほしいと、同性ながらに思う。いい気になって話しているうちに、かなりの時間が過ぎてしまった。ホッとできる空間が、そこにはあった。
 今後、個展の予定はないが、ギャラリー等で、彼女の作品に出会うことができる。
(赤井伸衣)