海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 ちゃめっ気たっぷりな仕草と、きゃしゃな体が印象的な中牧よし子さんの陶芸歴は2年と浅い。そして、陶芸を始めたのも遅い。それは漠然と出掛けたスペインへの語学留学で出合った手作りタイルに強い関心を持ったところから始まる。スペインには手作りタイルが随所に見られる。鮮やかで、アート性の高いタイルのとりことなってしまった彼女は、帰国後、焼き物の街常滑を訪ね、即、共栄窯セラミックアートスクールに通い始めた。
 彼女の作品は留学中に受けた新鮮な感性を呼び起こしながら、その魅力を表現している。スペインの白い壁と地中海のブルーをイメージする。トルコブルーは、スペインでの強い思いが凝縮されたモダンな雰囲気だ。トルコブルーの大きな陶の靴は童話の世界へと連れて行かれそうな、幼な心をくすぐられる思いがする。ちょっとした発想のヒントの原点はやっぱり、スペインにあるようだ。スペインは、彼女の想像力を刺激する何かがあるようだ。
 「押すと形がかわる粘土は、造形には難しいけれど、私には合ってる」と、何とも新人らしく微笑ましく語ってくれる。「今まで興味・関心のあるものに出合えず、苦心したけれど、今は落ち着いて陶芸をやっていこう」と、素朴で真っすぐな思いを話してくれた。やっと、見つけた陶芸だからこそ、やりがいも、きっと、あるはずだ。ある人は彼女を「自慢の子なんです」と、いう。強い主張もせず、常に謙虚で、焼き物に対する姿勢は確かに‥美しい。これから「中牧よし子」の名を浸透させる、ファンをハラハラ、ドキドキさせる陶芸家になっていくに違いない。
(赤井伸衣)