海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
陶芸家 中塚奈美さん 前田亜希子さん ちょっとおじゃまします
 「細江治ちゃん」−幾度となく名前を拝聴した。が、実際、ゆっくりとお話をさせていただいたのは、今回が初めてであった。初対面でありながら、その人はペコンと頭を下げ、人なつっこい笑顔で迎えてくれた。しぐさ・容姿・姿勢から、かわいらしい女性を連想させるっなんだか嬉しくて、つい饒舌になってしまった。
 細江さんの生まれ育った所は、名古屋。現在の住まいは、武豊。織部を追求し続ける作家の元で6年間アシスタントを努めた。「いつしか、自分の作りたい器が作れる」と、陶芸のとりことなってしまった。自分らしさが出せるものが、陶芸であると思ったようだ。その熱意から、10年前独立する。自宅に工房を構え、窯も購入。本格的に陶芸を始めた。白柚の日用雑器は、細江さんの得意とする作品だ。細江さんの手がける食器は、同世代の女性のハートをがっちりとつかんでいる。自分の作った器に、こんなにも喜んでくれる、ファンに励まされ感動すると、照れくさそうに話してくれる。灰袖の研究にも取り組む。でも、どの作品もどことなく控え目。「ちょっと、控え目では?」と、私の率直な感想に細江さんは聞こえなかったかのように、顔を背けた。その背けた姿は、私に無言のメッセージとなって返ってきた。料理が主役で器はわき役でなければならないことはもちろん、上品で知的、洗練されたものでなければならない。きっと、そう言いたかったのだろう。細江さんの控え目の、あの品のよさが私は好きだ。
 趣味は料理という。料理の腕前は相当なものらしい。なかでも、和食と中華には自信があるようだ。今後の予定として、9月30日から静岡県『ギャラリー幸福堂』で二人展を企画されている。
(赤井伸衣)