海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 父は陶芸を愛する若者たちが慕う山本宣光氏、母は陶人形作家として絶大な人気を誇る森遊子氏。淳平さんは、初個展となる手描きTシャツ絵画展を終えたばかりだった。昨春大学を卒業し、現在は瀬戸窯業高等学校専攻科に籍を置く学生だ。
 父を大きな存在といい、よき理解者という。両親は、彼にとって特別な存在だ。両親のDNAを強く受け継いでいるだけに、地元ではちょっとしたサラブレッド的存在である。長身で、甘い声、イケてる感じの若者だ。初めて会ったのは、かれこれ十年前。仲間が集うパーティーでおじさん臭い中に一人の若者がいた。その若者が彼だったのだ。当時、未成年だった彼のビールの飲みっぷりに驚かされたのを覚えている。今でも、その飲みっぷりは健在だという。個人的な感想ながら、あの豪快な飲みっぷりといい、初個展といい、ずいぶんと頼もしい青年に成長したなぁと思う。
 物作りを職業としていきたいという強い決意の表れで、手描きTシャツ絵画展を開いた。会場内は活気にあふれていた。初個展を面白さと不安が交錯したと振り返る。真っ白いキャンパス(Tシャツ)に染料で、思いっきり楽しさを表現する。ユーモアの奥に鋭い感性が光る。豆の木アンコウ、ピアノくじら、ライオン山、ワニギターなど、ちゃめっ気いっぱいのイラストが描かれている。想像がつくようなものは面白くないとでもいいたかったのか、ぜいたくなTシャツの絵画展だった。
 大学時代は、タイにヒッチハイクに出掛けた。タイは豊かな自然に恵まれ、幸福感と開放感に浸り、国籍を超えた人情をじっくりと味わった。異国での無数の出会いが、とても刺激的だったという。
 「将来は海外で活躍をしてみたら」と気軽に提案する私に、彼の柔和な目がいたずらっぽく笑っていた。
 秋に絵画展を企画中だ。
(赤井伸衣)