海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 父は陶芸作家として活躍する平野祐一さん。彼は3人兄弟の末っ子として、温かな環境で伸び伸びすぎるくらい伸び伸びと成長した。彼の日課は、父のロクロをひく姿をコソッとのぞき見することだという。その父のロクロをひく姿は、彼の心に焼き付き、いつでもピタッと寄り添い続けている。父の偉大な力をあらためて感じさせる瞬間という。
 彼の自宅を訪ねた時、たくさんの注文の粉引きの器が並べられていた。「粉引きのポワ?ンとしたピンクが好き」と、彼はいう。「だから、携帯も鞄もピンクなんです」と、得意げに見せてくれた。「いつか、粉引きでショッキングピンクを出してみたい」と、奔放すぎるユーモアあふれる発言で笑わせてくれた。炎の勢いと炎の流れで模様になる焼き締めにも、男らしい力強さを感じると彼は話す。
 昨年、親子展を開いた。この親子展のために手がけた作品は、600作品。これが彼のデビューとなった。披露した自信作は、等身大の人形。モデルは彼本人という。たじろぐこともなく立ち、凛としていた。ダイナミックなイメージを押し出しながらも、威圧的ではなく、適度な力強さと意気込みが感じられた。
 親子展で初めて会い、半年後に私からの突然の電話で再会。初対面では彼のワイルドな雰囲気に、私はサッと身を隠してしまったことを覚えている。再会は、とても楽しい時間だった。お笑い好きとあって、芸人顔負けのトークも披露してくれた。笑わせること大好き、笑うこと大好きの彼だ。とぼけた表情で、じっとデジカメをのぞき込み、気さくに話す。どこかアンバランスな姿に私は安堵してしまった。
 今年は、意欲満々のデビュー2年目。さらなる飛躍に取り組む覚悟だ。
 2月6日から12日まで、ノリタケの森ギャラリー(名古屋)にて「とこなめ若手作家陶展」、7月に、ぎゃらりー安里(名古屋)にて、10月に、ぎゃらりー・いそむら(やきもの散歩道)にて作品展を予定している。
(赤井伸衣)