海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 彼は1973年、焼き物の盛んな常滑で盆栽鉢、食器、花器、急須を手がける鴻陽陶園・紅葉窯の次男として生まれた。大学院卒業後、「物作りがしたいなぁ」と思うようになった。実家には基盤、地盤もあり、迷うことなく、常滑市陶業試作訓練所に通い、現在は3代目としての経営ノウハウを学びながら、両親と共に作陶に励んでいる。
 彼は、盆栽鉢を最も得意とする。全てが、ハンドメイドの一途なこだわりだ。お客さんの好みを聞き、大きいものから小さいものまで、1センチ単位までの細かな注文にも応えてくれる。彼の作品は地味ではあるものの、どれも繊細で、凛としている。あいまいさは、全く感じられない。自在に変化する粘土と会話を楽しんでいるかのように、鉢の魅力と可能性を追求している。彼は、「鉢はあくまでもわき役で、盆栽が主役」という。
 彼のオーダーメイドの鉢には、日本全国はもとより、海外からも目の肥えたファンが駆け付けてくる。彼の手がける鉢が知られるようになったのは、雑誌やテレビなどで、彼の手がけた鉢が使われたことだ。業界では、ちょっとした売れっ子・若手作家となっている。今、まさに上昇気流に乗っている人だともいえる。常滑市長三賞陶業部で奨励賞受賞、盆栽の器展で入選、韓国陶磁器エキスポに出品と、意欲的な活動を続けている。
 現在、彼は若手陶芸家12名で構成される常滑作陶家協会に属している。仕事を終えてから、表現方法も作風も異なる12名が、常滑の焼き物の文化や伝統、それぞれの個性を結びつけ、認め合いながら、勉強会を開いている。焼き物をもっと身近に、さわって癒されるものをと、アイデアを絞り、日々、作陶に追われている。気になる封印中の彼らの作品は、老人ホームや病院などに置き、セラピー効果をねらうものだという。彼ら12名が創り出す不思議な世界に、きっと、驚かされることだろう。お披露目は、8月の焼き物まつりの予定という。
 11月には、ナゴヤドームで行われる「焼き物ワールド」に参加を予定している。「いやぁー、彼の盆栽トークにはお腹いっぱい」の私は、最後まで彼の盆栽トークには馴染めなかったが、今、若者に静かな盆栽ブームというので、11月にはナゴヤドームまで足を運んでみようと思う。
 週末は3人の娘さんの成長に目を細め、「笑った!!歩いた!!転んだ!!」と、一喜一憂という。
(赤井伸衣)