海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 吉田篤美さんは昨年10月にオープンしたばかりの『ギャラリー雄散歩道店』の経営、接客を任され、自らも作家としても活躍している。
 篤美さんのご主人は、伝統工芸士の吉田信義さんだ。嫁いだ先は、急須職人の家だった。急須が、どのような工程を経て出来上がるのか知らなかった篤美さんは、ご主人が手際よく作り上げていく職人の技に感動したという。篤美さんの仕事は急須の茶こし付けや加飾をすることだった。いつか、器を作ってみたいと思うようになり、作陶を始める。
 平成18年『招き猫プロジェクト』が立ち上がり、篤美さんも参加することになった。常滑の招き猫は生産量日本一を誇っているのも、あまり知られていない。現在は『笑福猫舎』として、招き猫をモチーフにした常滑の土産品の商品開発に携わっている。篤美さんの作品は、土をマーブル状にして、型押しで作る猫のオブジェだ。型のつなぎ目や土の練り具合によって、同じ猫は二度とできない。そこに面白みがあると、篤美さんは話す。赤・白・緑の3色がまじっている三毛猫に「うぁ、かわいい」と観光客の声が聞こえる。そんな時は、やっぱり、うれしいと篤美さんはいう。
 『ギャラリー雄』では、篤美さんの作品の他にも、「笑福猫舎」のグッズ、貝焼、焼締め、窯変釉等を施した食器、茶器や花器、風鈴など信義さんの作品や雄雄窯で作られた作品も多数、展示・販売されている。『ギャラリー雄』のいち押しは、カキの貝殻粉と常滑産のもみ殻を混ぜ、作品に被せ1200℃以上の高温で焼き上げた『からこ焼』と呼ばれる作品だ。また、130種類の箸も扱っている。『からこ焼』をはじめ雄雄窯の器と一緒に、テーブルコーディネイトを楽しんでほしいと、篤美さんはいう。
 使い勝手のいい常滑焼を、もっともっと、広く知ってほしい。何度も足を運んでもらえるギャラリーにしたい。まだまだ、篤美さんの挑戦は始まったばかりだ。
 ギャラリーを年中無休で頑張る篤美さんの楽しみは、ご主人の手がけたカップで少しだけたしなむ夜のビールだ。
(赤井伸衣)