海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 高校生の頃、仏像が好きで奈良へお寺巡りによく出掛けた。学生時代に一度は行ってみたいと出掛けたトルコは、ヨーロッパとアジアの文化が混在していた。大学生活を過ごした沖縄。沖縄の文化には、日本、中国、タイの文化が混在していて、驚いたという。泡盛はタイ米で造られ、こんぶ料理が多かったことも意外だった。
 大学では、彫刻を学んだ。焼き物は、常滑に戻ってきた5年前から独学で始めた。周りは、彼女の作品を焼き物というが、彼女はかたくなに彫刻と主張する。
 彼女の作品は、歴史の教科書で何度も見かけたはにわ≠ノよく似ている。似ているというより、はにわ≠セ。『花の誕生仏』と題したはにわ≠ネど、表現豊かなはにわ≠ノ素朴さを感じながらも、神秘的で古代ロマンさえも感じさせる。はにわ≠ヘどれも顔つきが優しく穏やかに見えるから、不思議で面白い。はにわ≠ゥら連想させる感覚に深い愛着をもつ彼女がいて、彼女以外にはにわ≠ヘ作ることができないだろう。彼女がはにわ≠作るときにイメージするものは、何なのだろうか。せっかく、日本に生まれ、日本で育ったのだから、日本の文化・伝統を知らないのは、もったいないと、彼女からの少しだけ重い想いが詰まっていると、私はそう思う。少しだけ重い想いの詰まったはにわ≠ヘ、どのように作られるのか聞いてみると、「粘土を触ると勝手にできるんですよ」と、予想外のあっさりとした返事が返ってきた。
 彼女はあたたかく、可愛い。「毎日、ご飯を作るのが楽しい。畑では冬野菜を育てるも楽しい。お酒が好きで困ってしまうんです」と、日常を語ってくれた。好きなことをやっていただけなのに、伴侶とも出逢うことができた。「人生がどんどん拓けていくので、嬉しい」という。今、イメージトレーニングの真っ只中なんですと話す個展は、6月に韓国で予定している。彼女にとって、初めての海外個展だ。
 干支の原型士らで発足された『常滑陶彫会』にも所属し、「常に今を一生懸命」をモットーに、活躍の場を広げている。
(赤井伸衣)