海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 2006年10月のことだった。友人から聞き、すぐに常滑陶芸研究所に入所を決めた。小学校の頃に体験した、陶芸体験が原点だという。土から立体的な物を作り上げていくことは大変なことだった。できた時の達成感は大きかった。それが面白かった。ずっーと求めていた環境が今ある。陶芸教室で講師を務めながら、創作活動をしている。
 彼女は、ロクロで器や皿を作り、釉薬で絵を描いていく。自分で作ったものが、気もちよく日常使われるといいなぁという思いで、次々と膨らむイメージとたくさんの難題を解決し、オリジナル性の高い作品を作り上げていく。
 8月の焼き物まつりでは、工藤さん自ら自分の作品を販売した。今は、新しいことに挑戦をすることが楽しい時だ。自分のもつイメージに近づいたように思う。売れたという確かな手応えも感じることができた。陶芸家の仲間たちは、「人柄が作品に出てる」「カラフルさがくどい」「パンチが効いている」と、彼女の作品に辛口の批評をする。彼女にとっては気の毒そうな仲間からの声だが、「それも個性と思えばいいんです」と、いう。その言葉に「そうやって、アレンジして自分色を創り出せばいいんですよ」と、私は甘くつぶやくしかなかった。
 彼女の生活に必要不可欠なもの。それは、メイクと料理だ。とにかく、メイクと食べることは大好きだ。洗濯→化粧水→乳液→美容液→日焼け止めをしていれば、大丈夫ですよと教えてくれる。メイク好きの彼女としては、気軽にメイクを楽しんで、メイクの楽しさをもっと伝えたくて、と語る声も弾んでいた。
 彼女の庭には、この夏から始めた家庭菜園が広がっている。現在、なすやピーマンが育てられている。
 将来のことは、まだ決めていない。日常、気もちよく使ってもらえる器や皿を作り続けたいと、素直に思うという。10年後、20年後、彼女がどんな作品を作り上げているのか、私には全く想像できないが、陶芸家となって自然な丸みが出てきた作品を作っていることだけは間違いないだろうと、秋の夜長にふっと思うのだった。
(赤井伸衣)