海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 焼き物問屋に勤めていた経験から、焼き物に造詣が深い。一つの急須から、実に多くのことがわかった。父の勧めもあって、ロクロ練習生に応募したことをきっかけに、本格的に焼き物を始めた。当時は、作れば売れる時代だった。売れるから楽しかった。夢中で作陶に励んだ。
 堀田さんは、色の異なる粘土を練り合わせて、模様を作る技法「練り込み」を得意としている。堀田さんの練り込みの急須・湯呑みは、爆発的なヒットを生んだ。その後、「こんなのあったらいいなぁ」という思いから、ご飯茶碗やマグカップも手がけ、練り込みの色を変えながら、バリエーションを増している。創意あふれる作品を作り出す、堀田さんの想像力は留まるところを知らない。
 工房「憲児陶苑」は、常滑市山方町にある。工房で作り手の堀田さんを見たとき、作り手の心意気を感じてしまう。吹き出る汗、ロクロを黙々とまわす緊張感。ロクロを素早く回す職人技。堀田さんしかできないと確信した練り込みの急須・湯呑は、そんな堀田憲児さんの代名詞ともいえる。「2つ目の急須は堀田さんの練り込みの急須を」と、いう人たちの間で人気が高まっている。また、工房「憲児陶苑」は焼き物の大好きな仲間が心おきなく集うサロンでもある。
 先月、初めての個展を開いた。「やってよかった」と話す。機会があれば、挑戦したいという。個展をしてみよう、こんな気持ちになれたのは、ここ2・3年という。自分の作ったものを認めてほしい。あっと気づいてほしい。喜んでほしい。1年でも、1日でも長くこの仕事をしていたい。その過程にある苦労も楽しんでいるかのようでもある。
 ただ、ボーッとしている釣りが時間を作って出掛ける楽しみという。
(赤井伸衣)