海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 妙子さんは東京育ち。学生時代はデザインを学んだ。卒業後は、デザインの仕事に就いた。その後、瀬戸で染付けを学んだ。常滑で本格的に焼き物を始めた。
 美しい自然や新鮮な海の幸に恵まれた常滑の窯元巡りに出掛けたのは、趣味で始めた陶芸をもっと深く知りたいと思ったからだ。なかでも思い出深いのは、親子が隣り同士でろくろをまわす静けさや、気の合う仲間が集って行われる大宴会の賑やかさ。変わっていく景色を見たり、地元の人とふれあったりと、楽しかった。焼き物を通して、常滑での日々の暮らしには情熱があると、そっと教えてくれた。
 彼女は絵付けを専門としている。フランス人作家のもつ切り絵教室に通い、そこで習得した技術を陶作に取り入れた、切り絵カップは人気の作品だ。現在は茶色しか出せないけれど、青色も挑戦したいと話す。「いろいろな所で作品を見てもらい、いろいろな人に意見をもらい、完成度の高いものを作りたい」と、いう。完成度の高いものを作るためには手間も時間も惜しまない、職人気質なところが彼女にはあるようだ。
 切り絵シリーズの作品は、白と茶のコントラストが見事で、個性的だ。一点ものの贅沢さに満ちている。美しく、可愛らしく、やさしい。心が元気になるようでもある。それらの作品が人と人をつなぎ、元気をもたらす。そんな願いも込められたスペシャルな作品の今後が、どうも気になる。
 自分の手を動かして形になる喜びを味わい、作品を見て多くの人が反応してくれることが楽しい。作品を通して自分をわかってほしい。時に、自分をまわりくどく表現しているのかなぁ…とも思う、と話す。
 縁あって、窯元に嫁いだ。結婚の約束は、「お互いを高められたらいいね」と。このカップルは、どこかカッコよすぎる。
(赤井伸衣)