海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 前号でも夏目さんご夫妻を紹介したが、前号に続き、ご主人のことを書いてみようと思う。
 雅仁さんは仕事以外では、釣り大好き、おやじギャグ大好き、お話大好き、笑うこと大好き、楽しいこと大好き、メダカの飼育大好きな人である。しかし、仕事の話になると、一瞬のうちに鬼気迫る表情に変わり、熱く語ってくれる。
 雅仁さんのお気に入りの場所は自身の工房。窓側が雅仁さん、工房入口が彫り担当の奥さまの定位置だ。出されたお茶をいただきながら、そのお二人の間に座れば、お二人の職人技を全て見ることができる。また、お二人の息の合った会話も楽しい。会話が弾むとまた楽しい。このお二人の仲の良さが心のご馳走となるから、また嬉しい。「幸せ!!」?こんな言葉がこのお二人には、よく似合う。この工房に流れる空気は雅仁さんの柔らかな物腰そのものでもある。
 「陶号 雅仁」の工房で創られる急須や湯呑は、丁寧さやシャープな曲線で表現されている為、優しげな印象を受け、気取ることなく温かい。朱泥と彫りの鮮やかさが上手に生かされたものばかりで、その鮮やかさに虜となる人もいると聞く。技だけでなく、朱泥の素材の良さも感じさせてくれる。
 雅仁さんのロクロを引く姿は、凛としていてカッコいい。作品には、何か匂い立つ品格、優しげな中にも強さが感じられる。それは、2年程前の経験からであろう。大病を患い、生命のありがたさや周囲の人々への感謝の気持ちなど、今、日々、思うことが作品に自然と出ているのだと私は思う。力強い生命力さえも感じさせてくれる。
 雅仁さんの陶歴には長三賞、中部経済産業局長賞、第12回東京ドームテーブルウェア大賞など数々の受賞歴が並ぶ。受賞したどの作品も思いは強い。大病後の受賞は格別の喜びだ。以前のような作陶意欲も戻り始めた。これから、フル回転するつもりだという。
  10日(水)まで、方円館でグループ展を開催中。
(赤井伸衣)