海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 夏の厳しい暑さからも解放され、初秋の風が心地よく感じられるようになってきた。こんな時は温かい日本茶が何故か恋しくなってくる。先日、知人に連れられ東海市高横須賀町の日本茶専門店・茶肆 道?庵に出掛けた。
 店先には10年もののお茶の木があり、出迎えてくれる。カウンターには苔玉が飾られ、清涼感を運んできてくれる。店内は自分のためだけの時間を誰にも気兼ねせずに楽しみたい解放感と贅沢さで満たされている。ここは、上品そのものの空間である。
 日本茶専門店は初めてであったが、煎茶は以前に何度か楽しんだことはあった。以前に楽しんだことのある私だが、この空間でいただく煎茶は格別で衝撃を受ける。お茶は本来、甘いものだと確信できた。一煎目、二煎目、三煎目と少しずつ味が違っていくところも新鮮に感じられる。茶葉に負担を掛けずに絞り淹し急須で滴のように茶碗に注いでくれる一煎目は、美味しさがぎゅっと濃縮された格別の味だった。二煎目、三煎目は湯温を変えて異なる日本茶の味わいを楽しませてくれる。
 店主の蟹江さんは、ポジティブな人だ。また、感受性豊かな人で好奇心も強いため、これまでの人生で数え切れないほどたくさんの刺激に出合ってきた。日本各地を周り、15年間の独学の末にこのお店を持ったこと、800年続くお茶屋さんとの出逢い、お茶の木の豆知識、お茶は300種類あること、昔は人口の2%の男性しか飲めない高価なものだったこと、茶葉がどのように広がっていくのか、急須の持ち方で味が変わってしまうことなど、蟹江さんは体験談を語り、100年後も残る茶器を残したいこと、この国の文化を守りたいこと、などの想いを話してくれた。蟹江さんのお茶に対する想いの深さは充分に伝わってくる。蟹江さんの話から日本地図がイメージでき、その土地の人柄までも想像してしまう。もっと若い人に日本茶の魅力を知ってほしいと話す。その心意気は店内の随所に表れている。ここは、一見の価値ありだ。

東海市高横須賀町6丁目116
TEL/FAX0562−32−7575

(赤井伸衣)