海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 全く想像していなかった。季節は秋だというのに、私の前に現われた、まつもとさんはハワイアンだ。アロハシャツに短パン、万年草履といったスタイルだ。「僕のステイタス」といわんばかりの主張だ。このスタイルを仲間はどう見ているのかと思いきや、なかなか好評なんだとか。誰にも似ていない存在感。わが道をゆくスタイルがカッコいいという人もいる。1年中、このハワイアン姿で過ごしているのかと思ったら、冬は寒いので長袖、長ズボンで過ごしているようだ。
 まつもとさんは知多半島の海で、渥美半島の海で、神奈川県横須賀の海岸でガラス片や流木などの漂着物を拾い集めている。
 ビール瓶や薬の入っていた瓶、一升瓶は、40〜50年前まで家庭ごみとして、今では許されないが、海に流していた時代だった。40〜50年間漂流物として、岩や崖などに当たった時の衝撃によって、瓶は割れ、さまざまな形へと変化し、水や砂などで角や面は摩擦・摩耗していく。40〜50年の歴史があれば、まつもとさんの手がけるオブジェに余計なあしらいはいらない。
 まつもとさんの作品には、独自の遊び心とアートがある。ある日展関係者は、「まつもとさんの作品は自由で面白い。あなたの感性でアートになる。是非、この作品を作り続けてほしい」。そして、美術館館長からは、「まつもとさんには、もっとアートなものが作れるはずだから、アートなものを作ろう」と、嬉しい言葉をもらった。その言葉に、まつもとさんは自分の作品が人に与える影響の大きさに気づき、幸せな気持ちになれるという。でも、ひしひしと伝わるプレッシャーは強く感じているようだ。
 いつか?近い将来?絶対にクジラの出産場所として有名なメキシコのバハ・カリフォルニアで、流木とガラス片でクジラのオブジェを作ってみたいと話した。
(赤井伸衣)