海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 さまざまな作風の茶器を作る。自分らしいスタイルを貫く。朝の光がまぶしい工房で、ろくろを回す。一息つきたくなった時も工房で過ごす。どんな時間も有意義に過ごせる。工房は雅風さんのお気に入りの場所だ。来客には、自作の茶器とこだわりの茶葉でおもてなしをしている。このスタイルもこだわりだ。徹底的に贅を尽くしたおもてなしだ。この好青年を表現するには、稀有な存在という言葉がぴったりと当てはまる。弱冠25歳、落ち着いていて、渋すぎて、本当に稀有なのだ。
 雅風さんは長身に似合わず、作品は小ぶりなものが多い。窯変茶器セットは持っていたいと思わせる作品だ。そして、何よりも丁寧で上品なことが嬉しい。雅風さんの茶器を心地よく使い、幸せな気分になる。その幸せは周囲を明るい気持ちにさせてくれる。いつか、手元に置いてみたい。そう思う人は多いはず。久しぶりに将来が楽しみな有望株に出会ったようだ。
 雅風さんの目標としていることは、お茶好きの人が使ってくれる茶器を作ることだ。と、同時に、同年代の若者にお茶の文化を広めることが必然となってくる。雅風さんのアイデンティティをプラスして、アピールすることができるのであれば、この常滑の茶器業界も明るくなるのではないかと、次世代を担う若者が少ない中で、先輩作家は雅風さんの今後の活躍に期待を寄せている。
 雅風さんは常滑が大好きだという。愛着をもつ理由はたくさんあった。偶然訪問したギャラリーでは、親身になって師匠を紹介してくれた。紹介し合ううちに、どんどん作家と繋がっていく。交友も深まる。そんな、常滑の絆の強固なところも好きだという。雅風さんは本当に常滑が大好きで、お茶が大好きで、茶器が大好きな人なんだなぁ……。
(赤井伸衣)