海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 人形劇団を持つ家庭で育った。それ故に、さまざまな文化や芸術に興味を持つようになった。その中でも、絵本は友達のような存在で、いつも空想の世界を楽しんでいた。
 大学を卒業後、OLを経験し、陶芸研究所に通い、現在は常緑窯で社会人として勤めている。日々、力量の浅さに落ち込んで、その経験を上手に自分の刺激にしている。
 まだ、丹下さんの作品は少ない。作品は風変わりなものが多い。丹下さんは自身をゲテモノ好きという。急須にうつろな目の架空の生物をデザインしてみたり、急須をポップな色使いでコーディネートしてみたりと、モダンな印象を受ける。丹下さんは自分の意志をしっかり持って、周りに流されない人だからこそ、こういう作品が生まれるように思う。肩の力を抜いて、自分らしさを磨いている丹下さんが、ちょっとカッコよく見えてしまう。しかし残念なことに近頃、人生に彩りを加えてくれる、このような風変わりな作品を好むファンよりも、一度周りを観察して、どんな作品が望まれているのか、ニーズに応えていきたいと考え、一般的なものを作ってファンを増していこうと思っているようだ。丹下さんは急須が大好き。急須作りには、ロクロの技術が全て詰まっている。作り方も、パーツも、テクニックも……。今は自分の形を探している。いつもの彼女のようにインスピレーションで突っ走ってもいいのではと思う。きっと、スリリングな急須ができる。そして、その急須にお茶を注いで楽しめると思う。
 丹下さんにとっての人生を豊かにしてくれるものは、休日の過ごし方だという。休日は感動を体験する日と決めている。とびっきり美味しいトマトを見つけて感動して、自分好みの梅干を見つけて感動して。どっぷり浸かった感動の休日も、普段の生活をさらに充実させるためのエネルギー補給のようだ。
(赤井伸衣)