海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 若い頃は怖いものがなかった。と言ったら、語弊が生じてしまうかもしれない。思いきって、故郷を離れて常滑に来た。常滑には両親の知人がいる。知人に紹介してもらい、陶芸の世界に飛び込んだ。決めたら一筋に突き進み、10年が過ぎた。常滑という町からも、人からもエネルギーをもらって、生活面では満足しているものの、仕事面ではやっぱり悩みも多いという。
 掛江さんは日用食器を薪窯で作っている。薪窯は思いもよらないものが出来たり、こうなったら、こうなるだろうなぁ…と、計算し尽くされたものが出来たりと、毎回、心をくすぐられる。そこに面白みを感じ、魅力を感じているようだ。
 掛江さんの作品は「繊細」な作品であると言われる。ポイントを得てるとも言われている。薪窯の良さが凝縮された作品とも言われている。これらの作品は、お・も・て・な・しの心を託して作陶している。
 今は今の生活をすることがいっぱいいっぱいで、ゆとりを感じることもないけれど、もう少しゆとりができたら、急須を作ってみたりと、新しいことにも目を向けてみたりしたいとも思っているようだ。
 掛江さんは自由に生きているから、他人に対しても寛容のように思う。だから、他人を認めてあげる心の広い人なのだ。
 帰り際に掛江さんは「久しぶりに人間と会って楽しかった」と言った。この人は、ちょっとした言葉が面白い。そして、人柄の良さがにじみ出ている陶作に志す人だった。
(赤井伸衣)