海外の旅この指とまれちょっとおじゃまします元気のでてくることばたち
ちょっとおじゃまします
 北川さんは48歳の時にオカリナに出合った。オカリナの音色に、オカリナ人口を増やしたいと思った。市販されているオカリナは透き通った高い音がなかなか出すことができない。それならば自分でオカリナを作ってしまおうという思いで、オカリナを作り始めた。自分の才能が開花したようで、オカリナ作りは本当に楽しかった。オカリナ作りをしていると、陶芸もやってみたくなった。平日は会社勤め、休日は陶芸という生活を楽しんでいた。次第にサラリーマンと陶芸、どちらを優先したらいいのか、毎日がジレンマだらけだったという。定年を待たずに会社を辞め、ギャラリー共栄窯アートスクールを修了後、共栄窯に工房を構え本格的な制作活動を始めた。
 常滑は若いクリエイターもおじさまも、年齢を問わず活躍できる町。みんな集まって、物づくりにいそしむ光景がある。作り手同志のネットワークがしっかりしている。だから、北川さんのようにサラリーマンを辞めて、本格的に陶芸を始める人は多いようだ。毎日、自宅のある東海市と工房のある常滑を行き来する。愛すべきものに囲まれて穏やかな生活は、本当に楽しい。日常に彩りを添えてくれるという。陶芸家としてもアクティブな毎日を送っている。北川さんはオカリナはもとより、皿やカップなどの食器から陶彫のオブジェなど、何でも作ってしまう。
 オカリナは、今ではコンサートをする腕前となった。自分で作って焼いたオカリナは、口コミが口コミを呼んで北海道からも、九州からも問い合わせがある。そのオカリナは、ネット販売もされている。自分の知らないところで、オカリナが人と人の心を引きつけている喜びは格別だという。
 ちょっぴりラブリーさを利かせた、ふくろうにハートのイラストや北川さんの審美眼で描いた蝶のカップなど、北川さんの描くイラストはさまざまな表情をもっている。どれも、ひとつひとつに丁寧なイラストが描かれている。聞けば、以前、趣味で油絵を描いていたという。この方は、本当に多趣味でバイタリティの高い人だ。
(赤井伸衣)